健康・生活情報館

癌とはどんな病気?

 

  1 (がん)とはどんな病気か


  人間の体細胞は、約60兆個からなる細胞から構
  成されています。

  (がん)とは、この体細胞において「無制限
  な増殖を行いながら周囲の組織に拡がったり、
  全く別フィールドにある別の臓器に転移しなが
  ら、その犯した細胞の栄養成分を奪う」一連の
  活動を行う悪性の腫瘍を指します。

  わが国では生活習慣病(癌、心臓病、脳血管疾
  患など)が死亡原因の大半を占めており、中で
  も癌が死因の第1位となっています。 



  2 癌(がん)が腫瘍(しゅよう)になるまで


  人間だけにかかわらず、動物の細胞は生まれて
  から増殖を繰り返し一定期間を過ぎると寿命を
  迎え、また新たな細胞と入れ替わり、また、増
  殖を繰り返すことで、その生命活動を維持して
  います。

  しかし、その細胞の一つに癌が発生するとその
  入れ替わり作業が行われず、増殖のみを続けて
  いき、この無制限な増殖が続くことで腫瘍と化
  していきます。

  しかし、この腫瘍にも2種類あり、一定期間を
  過ぎるとその増殖活動や転移をやめるものと、
  放置すれば、その宿主が生存する限り増殖・転
  移を繰り返すタイプのもので、前者が一般にい
  ぼ、ポリープと呼ばれる良性腫瘍、後者が癌(
  がん)と呼ばれる悪性腫瘍であり、良性のもの
  は手術によって除去すれば再発はありませんが、
  後者は、手術によって患部の除去が行えたとし
  ても再発の可能性があり、早期の発見・手術が
  できない場合、助からない可能性が多いにあり
  ます。  



  3 癌の成長を促す要因とは


  細胞増殖を行う過程において細胞のこの活動を
  決めているのが一つ一つの細胞内にある染色体
  内のDNAです。

  このDNAの遺伝情報に異常が発生することで
  細胞が癌化します。


  そして、その要因としては、紫外線、たばこな
  どの発ガン物質、ウイルス、ストレスや過労な
  どからくる免疫力低下などが一因と考えられて
  います。

  しかし、がん化した細胞があっても、私たちの
  体はそうたやすく病気になることはありません。

  というのも、身体には、病気の原因を排除する
  免疫というシステムが息づいているからです。

  もし、このシステムに異常が生じ、がん細胞を
  排除するメカニズムが作動しなくなると、がん
  化した細胞は増え続け、次第に深刻な影響を体
  に及ぼしはじめます。
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4 癌の種類はどれぐらいあるのか


  私たちの健康を脅かす癌には、どれくらいの種類がある
  のでしょうか?

  以下に大きく分けた種類を列挙しますと、、、

  脳腫瘍・食道がん・前立腺がん・肺がん 縦隔腫瘍・悪
  性リンパ腫・胃がん大腸がん・肝臓がん・胆嚢がん・膵
  臓がん・腎細胞がん・膀胱がん・歯科口腔がん・頭頸部
  がん精巣腫瘍・乳がん・卵巣がん・子宮頸がん・子宮内
  膜がん・骨軟部腫瘍・皮膚がん・白血病・悪性黒色腫な
  どが上げられており、体のほとんどの組織において癌は
  発生します。



  5 癌の検査は、どのようなものがあるのか


  脳腫瘍・・・CT、MRI、MRA(MRIアンギオ
    グラフィ)、シンチグラフィー、脳血管
    撮影により神経学的診察および神経放射
    線学的診断により行われます。

  食道がん・・・バリウムによるX線検査や胃
    カメラによる内視鏡検査にて行われます。

  前立腺がん・・・前立腺後面は直腸に接して
    いるため、肛門から直腸の中に指をいれ
    て前立腺の状態を指で調べる直腸診検査
    をします。
          
    次に採血をして血中のPSA(前立腺か
    ら生産される蛋白質で、前立腺癌になる
    その血中濃度が高くなる。)の測定をし
    ます。

    そして、経直腸的な超音波検査も重要な
    検査としてあります。

    これは肛門より超音波の機械を入れて直
    腸を通して前立腺の状態を調べます。

    これらの検査を行い必要に応じてMRI
    検査も追加され、前立腺癌が確定診断さ
    れた際は、骨盤部のMRI検査やCT検
    査などで前立腺癌の周辺への拡がりを見
    ると同時に、リンパ節への転移の有無を
    調べます。

  肺がん 縦隔腫瘍・・・胸部レントゲン検査、
    血液検査(腫瘍マーカー)喀痰細胞診検
    査にて診断します。

    そして、異常があれば、胸部CT検査、
    気管支鏡検査生検などをして詳細な診断
    をします。

  悪性リンパ腫・・・悪性リンパ腫の最も一般
    的な症状はリンパ節腫大です。

    そのため、診断は、頚部など腫れている
    リンパ節の一部を取り出し、組織を確認
    する(これを"生検"といいます)ことと、
    血液検査では、LDHの上昇があるかを
    みることで判断されます。

    しかし、場合によっては、組織診断(生
    検)の診断が困難な場合は、特殊染色を
    行ったり、白血病の診断と同様に細胞表
    面の糖タンパクの構成や染色体分析の結
    果を参考にします。

  胃がん・・・・・胃がんの検査は、主として
    胃X線・胃内視鏡検査ですが、これとと
    もに、検診として血中ペプシノーゲン値、
    腫瘍マーカーの測定や、精密検査として
    腹部超音波、CTなどが行われ、判断さ
    れます。

  大腸がん・・・・便潜血反応が陽性になった
    場合や大腸癌を疑わせる何らかの症状が
    あった場合には、肛門指診、注腸造影検
    査、大腸内視鏡検査、血中の腫瘍マーカ
    ー(CEA)の測定などで診断されます。

  肝臓がん・・・・超音波検査、CT検査、腹
    部血管造影検査にて視覚的判断がなされ、
    また、血液検査(腫瘍マーカー)にてA
    FP(アルファ型胎児性タンパク)、PIV
    KA-II(ビタミンK欠乏性異常プロトロ
    ンビン)を調べ判断します。
            
    そして、腫瘍が発見された際は、生検を
    行い良性・悪性の診断がなされます。
    
  胆嚢がん・・・・主に、腹部超音波検査な
    どで診断されます。  

  膵臓がん・・・・血液検査、画像検査、内
    視鏡検査、組織検査にて診断され、血
    液検査では膵酵素(アミラーゼ、エラ
    スターゼ1など)の上昇、腫瘍マーカ
    ー(CEA、CA19-9、DUPAN-2
    など)の上昇、胆道酵素(ALP、γ
    GTPなど)の上昇、耐糖能異常(血
    糖、HbA1cなどの上昇、インスリ
    ンの低下)があるかを見、画像検査と
    して腹部エコー、CT、MRIが行わ
    れ、一般的にはこの画像検査で発見さ
    れることが多いようです。

  腎細胞がん・・・検尿、血液検査、エコー、
    CT、MRI、腎盂造影にて判断され、場
    合によっては一時入院したうえで、血
    管造影検査も行われることがあります。

  膀胱がん・・・・尿検査、内診(医師が手
    袋をした手指を腟または直腸に挿入し
    て腫瘤が触れるかどうか調べます。)、
    CT検査(CATスキャン)、静脈性
    腎盂造影(IVP)、膀胱鏡検査にて
    診断されます。
 
  歯科口腔がん・・口腔がんの検査には大き
    く分けて病変部の細胞の採取とレント
    ゲン写真やCT・MRI等の画像診断
    にて診断されます。

  頭頸部がん・・・頭頸部は、顔面頭蓋から
    頸部にかけての部位をいい、脳 や脊髄、
    眼窩内を除いた頭頸部領域に発生した
    悪性腫瘍を指し、主に耳(聴器癌・鼻
    ・副鼻腔鼻腔癌・上顎癌)、咽頭(上
    咽頭癌・中咽頭癌・下咽頭癌)、喉頭
   (喉頭癌)頸部(甲状腺癌・原発不明癌
    など)、唾液腺(耳下腺癌・顎下腺癌
    など)などが上げられ、頸部腫瘤の検
    査としては、第一に超音波エコーが上
    げられ、各部位ごとに、血液検査や腫
    瘤によっては、CTやMRIをオーダ
    ーすることもあります。
 
  精巣腫瘍・・・・精巣腫瘍は、経験のある
    泌尿器科医であれば触診のみで診断が
    つくことが多いが、精巣内の腫瘍であ
    ることを明らかにするためには、超音
    波検査(エコー等)が最も有用である
    とされています。
           
  乳がん・・・・・従来は視診・触診のみの
    検査でしたが、現在はマンモグラフィ
    併用検診が広まってきています。

  卵巣がん・・・・卵巣がんの診断は内診や
    エコー検査によって卵巣に腫瘍がある
    ことを発見することに始まりますが、
    それが良性か悪性かの診断には、画像
    診断や血液中の腫瘍マーカーの測定に
    て行われます。

    画像診断ではエコー検査、MRI、C
    Tが行われ腫瘍の性質、進行度、転移
    の有無などの診断がなされます。

    また、良性・悪性の診断の正確な診断
    は 75-80%程度とされています。

    表層上皮性腫瘍ではCA125を中心とし
    CEA,CA!9-9,CA15-3,TPA, IAPなどの
    腫瘍マーカーの測定が行われます。

  子宮頸がん・・・塗抹細胞診(子宮頚部お
    よび腟の表面から細胞を採取する方法)
    、コルポ診(腟拡大鏡診)、生検(組
    織検査)、内診、子宮頚管内掻爬術(
    キューレット(スプーンの形をした器
    具)を用いて子宮頚管から細胞または
    組織を採取する方法)などの検査が上
    げられます。

  子宮内膜がん・・子宮口から検査用の器具
    を入れ、組織を採取して、組織検査を
    行い判断します。

  骨軟部腫瘍・・・骨腫瘍の診断には単純X
    線撮影、CT, MRI,骨シンチグラム
    が、検査されます。

    単純X線撮影の所見だけで診断がつく
    場合もあります。
             
    また、肺転移の多い癌のために胸部の
    CTも行います。
            
    骨肉腫ではアルカリフォスファターゼ
    値が高い場合、腫瘍マーカーになりま
    す。

    軟部腫瘍の診断は画像診断のみの診断
    では確定が困難な場合が多いですが、
    MRIは腫瘍の正確な大きさや部位の
    情報をあたえてくれるので、手術前に
    は必要な検査となります。

    いずれにしても、腫瘍も腫瘍の一部を
    採取して病理検査をする生検により、
    最終的な確定診断がなされます。

  皮膚がん・・・・皮膚所見が行われ、色、大
    きさ、形または手触りから異常にみえる
    腫瘤や斑がないか皮膚を調べます。

    そして、異常個所が発見された際は、そ
    の組織の一部を採取し生検を行い判断し
    ます。

  白血病・・・・・白血病は一般的に採血のみ
    で体内の腫瘍細胞が観察できます。

    そのため、白血球増加や汎血球減少など
    の血液異常を認め、末梢血白血球中に芽
    球(blast)と呼ばれる異常細胞を認めた
    場合、かなり強く白血病が疑われます。

    確定診断に関しては、骨髄穿刺を行い骨
    髄中の白血病細胞を見て行います。
            
    白血病には、複数のタイプがあるため、
    そのタイプ判断は特殊染色を行ったり、
    白血病細胞表面の糖タンパクを抗体に用
    い検索したり、白血病細胞を短期間培養
    して染色体分析を行ったりして診断しま
    す。

  悪性黒色腫・・・病変を詳細に観察すること
    で診断できることも多いのですが、最終
    的には病理組織検査(生検)が必要です。
 


  6 現代の癌の治療方法
 

  現在の癌の治療には大きく分けて外科的(主に手
  術)なものと、内科的(化学療法、放射線治療)
  に分かれるが、その選択においては、病例により
  様々で、これらの方法をあわせて対処する場合が
  多い。

  近年、外科的治療においても、内視鏡の技術進歩
  などに見られるように、ハード面での進歩により
  その術式なども多様化されており、以前に比べ入
  院日数の短縮化など、患者さんに対する負担の軽
  減化が可能になる症例も増加傾向にあります。

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